韓国の崔相穆(チェ・サンモク)副総理兼企画財政部長官は16日、アメリカとの関税交渉について「決して急がない」との考えを示しました。
崔副総理は来週、アメリカ・ワシントンを訪れ、トランプ政権による関税措置をめぐる協議に臨む予定です。
崔副総理はG20=主要20か国の財務相会議の期間中にアメリカのベッセント財務長官と面会することになっており、これにあわせてアメリカ側から、関税問題についてもこの場で協議したいという提案があったということです。
これまで、関税をめぐる交渉は両国の通商当局が主に担当してきましたが、今回、財務責任者どうしの直接協議が提案されたことで、交渉の「格」を引き上げ、話し合いを加速させる狙いがあるものとみられます。
これを受けて、韓国政府は、崔副総理に加えて安徳根(アン・ドックン)産業通商資源部長官もアメリカに同行させ、協議に臨むことを検討しているということです。
アメリカ側は現在、韓国、日本、イギリス、オーストラリア、インドの5か国との関税交渉を優先的に進めたいとしていますが、いずれの国も慎重な姿勢を崩していないとされています。
崔副総理は16日、国会での発言で、「アメリカとの関税交渉は急がず、最終的な判断は次期政権で行うのが望ましい」と述べ、韓国政府としては大統領権限代行体制の下では合意には至らず、まずは協議の基盤づくりに集中する方針を示しました。
また、今回準備されている交渉議題には、韓国に駐留するアメリカ軍の防衛費分担金の問題は含まれていないことも明らかにしました。