アメリカの大手格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は15日、韓国の国債格付けを「AA」、格付けの見通しを「安定的」に据え置きました。
スタンダード・アンド・プアーズは、「予期せぬ非常戒厳令の発令によって政治的安定性への信頼が少なからず損なわれたが、速やかな戒厳令の撤回と対応が、格付けへの悪影響を最小限にとどめた」と評価しました。
ただ、最近の政治的な分断が今後も続く場合、次期政権の政策推進力を弱めることになりかねないと指摘しました。
スタンダード・アンド・プアーズは、「これから最長で5年間は、韓国経済の成長はやや鈍るとみられるが、ほかの高所得国に比べて高い平均成長率を維持するだろう。政府の財政赤字も、向こう3、4年間は健全な水準を維持するだろう」と見込みました。
韓国の経済成長率については、世界の貿易環境の悪化などによりことしは1.2%に鈍化するが、来年には2.0%に持ち直すという見通しを示しました。
また、1人当たりGDPは、毎年およそ2%の成長が続き、2028年には4万1000ドルを超えると見込みました。
スタンダード・アンド・プアーズは、2016年に韓国の格付けを「AAマイナス」から「AA」に1段階引き上げて以降、19年連続で据え置いています。