北韓は5日、尹錫悦（ユン・ソンニョル）前大統領が憲法裁判所の決定で罷免されたことについて、初めて報じました。
 
北韓の朝鮮中央通信と労働新聞は、尹前大統領が罷免された翌日の5日、「韓国で4日、憲法裁判所が尹前大統領に対する弾劾を宣告した」と報じました。
 
北韓メディアは、憲法裁判所が、裁判官8人の全員一致で尹前大統領の罷免が決定したことにも触れました。
 
また、AP通信やロイター通信、ガーディアン紙などを引用し、「『非常戒厳』の宣言で触発された恐怖が罷免につながった」としながらも、「尹氏が罷免されたものの、数ヵ月間、韓国が経験してきた混乱は続く」としています。
 
さらに、2017年の朴槿恵（パク・クネ）元大統領に続き、大統領の罷免が2回目であることにも言及していますが、この時、北韓は、憲法裁判所が決定を下してからわずか2時間20分後に、朴元大統領の罷免を報じました。
 
これに対し、尹前大統領の弾劾訴追案が国会で可決した際には2日後に関連の短いニュースを報じたほか、尹前大統領が「非常戒厳」を宣言した際にも1週間以上、それについて報じませんでした。
 
これをめぐっては、金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長がおととし末に南北関係を「敵対的な2つの国」と宣言したことから、意図的に距離を置いているのではないだろうかという分析が出ています。