韓国の憲法裁判所によって罷免された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は4日、「期待に応えられず申し訳ない」と国民に向けたメッセージを発表しました。今後は、内乱を首謀した容疑などに関する刑事裁判に臨むことになります。
尹前大統領はこの日、弁護団を通じて、「力不足の私を支え、応援してくださった皆さまに心より感謝申し上げます。期待に応えられず申し訳ありません」とのコメントを出しました。
また、「これまで大韓民国のために働くことができて本当に光栄でした」と振り返り、「これからも、愛する祖国と国民の皆さまのために祈り続けます」とコメントを結びました。
罷免された尹前大統領は、ソウルの漢南洞(ハンナムドン)にある大統領公邸を離れ、今後、瑞草洞(ソチョドン)の私邸で生活することになります。
尹前大統領は、任期満了前に罷免されたことで、元大統領が本来受けられるはずの年金や国立墓地「国立顕忠院」に埋葬される資格など、多くの礼遇は受けられなくなります。
一方、尹前大統領に対する憲法裁判所の弾劾審判は終了しましたが、内乱首謀の容疑に関する刑事裁判は続いています。
今回、憲法裁判所が弾劾審判の宣告で、尹前大統領の戒厳宣言について、大統領側の主張をほとんど受け入れず、戒厳宣言が違憲・違法だったと判断して罷免したことから、この決定が刑事裁判に否定的な影響を及ぼすとの見方が出ています。
ソウル中央地裁は、2回の公判準備期日を経て、今月14日に初公判を開く予定です。