韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が4日、憲法裁判所の決定により罷免されたことを受け、弾劾を主導していた最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、「韓国の民主共和制を守り抜いた国民の皆さまに、心より敬意と感謝を申し上げます」と述べました。
尹大統領が戒厳を宣言した去年12月3日の夜、韓国の国民はすぐ国会に駆け付け、戒厳を解除するために国会に集まった国会議員を支援したり、当時の様子を映像で流したりして、戒厳の違法性を訴えていて、その後も、尹氏の弾劾をもとめる集会を開いていました。
李代表は、尹前大統領による「非常戒厳」の宣布について、「権力と武力で国民と民主主義を脅かした行為だ」とあらためて厳しく批判しました。
また、現職大統領の罷免は2017年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領に続き2度目であることに触れ、「現職大統領が2度も弾劾されるという事態は、二度とあってはならない韓国憲政史の悲劇だ。政治が国民と国家の希望となるよう、最善を尽くしていく」と強調しました。
一方、与党「国民の力」のトップ、権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長は、「憲法裁判所の決定を重く受け止め、謙虚に受け入れる」との姿勢を示しました。
また、与党として十分に役割を果たせなかったとして、「国民の皆さまに心よりお詫び申し上げる」と謝罪しました。
さらに、尹前大統領の支持者による抗議や混乱を念頭に、「いかなる場合でも、暴力や過激な行動があってはならない」と呼びかけました。