尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣言して初めて行われた再選挙と補欠選挙で、野党が躍進しました。
4月2日に全国23か所で行われた5つの基礎自治体のトップを選ぶ再選挙と補欠選挙で、与党「国民の力」は1か所、最大野党「共に民主党」は3か所、野党「祖国革新党」は1か所で勝利しました。これまでの5か所中4か所は与党、1か所は野党だった構図が逆転したことになります。
ソウル市九老(クロ)区庁長を選ぶ選挙では、「国民の力」の候補が出馬せず、「共に民主党」の候補が得票率56%で、右派の「自由統一党」候補の32%を大きく上回り当選しました。
忠清南道(チュンチョンナムド)牙山(アサン)市長を選ぶ選挙では、「共に民主党」の候補が得票率57.5%で、39.9%にとどまった「国民の力」の候補をやぶりました。
牙山市では、2022年の地方選挙では「国民の力」の候補が当選しましたが、去年の総選挙では、牙山甲と牙山乙の両方で「共に民主党」の2人の国会議員が当選しています。
慶尚南道(キョンサンナムド)巨済(コジェ)市長を選ぶ選挙では、「共に民主党」の候補が得票率56%で、38.1%にとどまった「国民の力」候補をやぶりました。「国民の力」の地盤とされる巨済市でも、「共に民主党」の候補が勝利する異例の事態となりました。
慶尚北道(キョンサンブクト)金泉(キムチョン)市長を選ぶ選挙では、今回の自治体の選挙で唯一与党「国民の力」の候補が得票率51.86%で当選しました。
潭陽(タミャン)郡守を選ぶ再選挙では、「祖国革新党」の候補が得票率51.82%で、「共に民主党」候補の48.17%を上回って勝利しました。
「祖国革新党」は党発足後初めて、地方自治体のトップを輩出し、来年の地方選挙に向けた期待を高めています。
釜山(プサン)市の教育長を選ぶ再選挙では、革新派の候補が得票率51.1%で当選しました。
4月2日の再選挙・補欠選挙の投票率は26.27%で、去年10月よりも24.62%上昇しました。尹大統領の非常戒厳の宣言と弾劾審判により、選挙への関心が高まったことが影響したものとみられます。