アメリカのトランプ政権による関税措置が相次ぐなか、韓国、日本、中国の3か国による経済貿易相会合が30日、ソウルで開かれ、自由で公正な多国間貿易体制の重要性を確認し、自由貿易の回復に向けて協力を強化していくことで一致しました。
会合には、韓国の安徳根(アン・ドックン)産業通商資源部長官、日本の武藤容治(むとう・ようじ)経済産業大臣、中国の王文濤(おう・ぶんとう)商務相が出席しました。
3か国の経済閣僚による会合は2019年以来6年ぶりで、ソウルでの会合は10年ぶりとなります。
会合後に発表した共同声明では、WTO=世界貿易機関のルールに基づく自由で公正な貿易体制を支持するとともに、自由貿易を加速させるための議論を継続していく方針が示されました。
また、経済・通商分野での協力を広げ、停滞している韓日中FTA=自由貿易協定の交渉を再び加速させることで一致しました。
去年5月にソウルで行われた3か国首脳会談でもFTA交渉の再開に合意しており、今回の閣僚会合ではその再確認がなされた形です。現在、3か国のうち、FTAが発効しているのは韓国と中国の間のみです。
とくに中国は、アメリカのトランプ政権の保護主義的な通商政策を背景に、韓国や日本との経済連携を強化したいという姿勢を強く示しています。
一方で、韓国と日本は中国との経済協力の必要性は認めながらも、米中の対立が続く中で、慎重な対応をとる姿勢も見せており、3か国の間には温度差も見られました。