韓国南東部で今月21日から同時多発的に発生していた大規模な山火事が、30日午後に完全に鎮圧しました。死者は30人にのぼり、焼失面積はおよそ4万8000ヘクタールに達するなど、最悪の被害となっています。
中央災害安全対策本部によりますと、この一連の山火事で全国11の市や郡に被害が広がり、これまでに住民や消火活動にあたった人などあわせて30人が死亡、45人がけがをしたということです。
焼失面積はおよそ4万8000ヘクタールにのぼり、韓国で記録された山火事としては過去最大の規模となりました。
最初に火災が発生したのは、南部の慶尚南道・山清(サンチョン)郡で、21日に発生した火は、およそ213時間後の30日午後にようやく消し止められました。これは、韓国で発生した山火事としては2番目に長く続いたケースです。
また、住宅およそ3000棟が全焼したほか、国指定の宝物や天然記念物など30件の文化財も焼失するなど、最悪の被害が出ています。
火災は収まりましたが、6000人以上の住民が今も避難所での生活を余儀なくされています。
政府は、仮設住宅の提供や健康保険料・通信費の減免など、生活支援策の準備を進めているということです。
一方、現地では依然として火の粉がくすぶる場所があり、大気の乾燥や強風による再燃のリスクも指摘されていて、当局は引き続き監視を強化する方針です。
政府は、春に山火事が多く発生することから、国家の危機警報レベルで最も高い「深刻」を維持し、警戒態勢を続けています。