大統領権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は28日、「西海(ソヘ)守護の日」を迎え、「北韓のいかなる挑発にも即刻かつ圧倒的な対応をとる」としたうえで、「韓米同盟をより強固なものにし、国際社会との連携を強化していく」と述べました。連日対立している与党「国民の力」と最大野党「共に民主党」の代表らも、「北韓の奇襲攻撃と挑発から西海を守った英雄たちを忘れてはいけない」という認識を示しました。
「西海守護の日」は、政府が、北韓軍の西海での挑発に対抗して戦い犠牲になった将兵を追悼するために2016年から指定したもので、2002年6月に韓半島西の海、西海にある延坪島(ヨンピョンド)付近で南北海軍が交戦した第2延坪海戦、2010年3月に起きた韓国哨戒艦「天安(チョナン)艦」沈没事件、それに2010年11月の北韓による延坪島への砲撃挑発で犠牲になった戦死者の合同追悼行事が、毎年3月の第4金曜日に行われています。
韓国務総理は、28日午前、国立大田(テジョン)顕忠院で行われた第10回「西海(ソヘ)守護の日」記念式典で、「英雄たちの尊い犠牲で西海を守り抜くことができたが、地球上で最も退行している北韓は、今日も韓半島と世界の平和を脅かしている」と述べ、「北韓は、権力の世襲だけを追求し、北韓住民の悲惨な現実から目を背け、核とミサイルの開発に没頭している」と批判しました。
また、「ロシアとの違法な兵器の取引で韓国を狙った兵器の改良を進め、新たな挑発を企んでいるが、このような脅威に屈することなく、韓国政府と軍は国民が安心して生活できるよう、万全の態勢を整えている」と強調しました。そのうえで、「韓米同盟をさらに強化し、韓国に危害を加えることができないよう、確固たる安全保障体制を維持していく」と述べました。
さらに、韓国務総理は、国を守るため、犠牲になった負傷者や遺族への支援を拡充する意向を明らかにしました。
一方、この日は、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表も初めて式典に出席しました。李代表は、式典に先立って行われた最高委員会議で、「安全保障政策をめぐっては、様々な意見が存在し得るが、『特別な犠牲に対する特別な補償』という原則に異論は存在しない」と述べました。特に、中国による違法な海洋構造物の設置に言及し、「『共に民主党』は、すべての領土主権における侵害行為に断固と反対し、西海をしっかり守っていく」と強調しました。
この日の式典には、与党「国民の力」の権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長と権性東(クォン・ソンドン)院内代表も出席し、犠牲になった将兵を追悼しました。