日本の高校で来年の春から使われる社会科の教科書で、独島(トクト)に対し日本の領有権を主張する一方で、植民地時代の徴用をめぐる問題では、その強制性の記述を弱めるなど、歴史を正しく伝えていないとして、韓国政府が日本に対して強く抗議しました。
日本の文部科学省が25日に発表した高校向け社会科の教科書の検定結果によりますと、今回、検定に通った教科書31点のうち、政治・経済の教科書1点をのぞくすべてのものは、独島に対し「日本固有の領土だ」と記述しています。
また、植民地時代の徴用をめぐる記述では、一部の教科書で強制性に対する表現を弱めています。
こうしたことを受け、韓国外交部は25日、「日本政府が自国中心の歴史観に基づき、過去の歴史的事実をわい曲する教科書を検定で合格させたことに深い遺憾の意を表明し、是正を求める」とする報道官声明を出しました。そのうえで、「未来志向的な両国関係は正しい歴史認識が土台となるだけに、日本政府が未来世代の教育に責任ある姿勢で取り組むことを期待する」としています。
一方、外交部のキム・サンフン亜細亜太平洋局長は、韓国に駐在する實生泰介総括公使を呼び、抗議しました。