韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理の弾劾審判で憲法裁判官らの間で意見が大きく分かれ、弾劾訴追が棄却となったことから、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判ではどのようになるのか、注目が集まっています。
憲法裁判所は24日、韓国務総理の弾劾審判で、棄却5、却下2、認容1で弾劾訴追を棄却しました。
今回の審判では、革新派や中道派の裁判官らは棄却、または認容、保守派の裁判官2人は却下の判断を下すなど、政治思想によって判断が分かれました。
憲法裁判所は「政治思想と審判の結果は別問題だ」としていますが、実際には、政治思想によって審判結果が分かれる事例が、ここ最近、続いています。
現在、憲法裁判官は定員9人のうち1人が空席となっていて、8人のうち3人が革新派、3人が中道派、2人が保守派となっています。
弾劾の成立には、最低6人以上の賛成が必要となります。
法曹界では、尹大統領の弾劾審判でも意見の調整が難航していることから、弁論が終わった後の評議が長引いていて、結論を導き出せずにいるのではないかという見方が出ています。
一部では、最近の憲法裁判官の判断が分かれる現象をめぐって、尹大統領の弾劾審判でも意見が分かれるのではないかという声が上がっています。
しかし、尹大統領の弾劾は、国務総理の弾劾とは違って、罷免の有無が国家的な重大事であるだけに、社会に与える影響を考慮して、全会一致に近い意見調整を試みるだろうとの予想も出ています。
憲法裁判所は、27日に一般事件の宣告を予告しており、尹大統領の弾劾審判の宣告は、早くても28日以降になる見通しです。