韓国南部を中心に、複数の地域で大規模な山火事が相次いで発生し、これまで対応にあたっていた消防隊員ら4人が死亡し、住民2000人以上が避難するなど、被害が広がっています。
山火事は今月21日に南部・慶尚南道(キョンサンナムド)の山清(サンチョン)郡で最初に発生し、その後、義城(ウィソン)郡や蔚州(ウルジュ)郡など、南東部の各地で相次いで発生しました。
韓国中央災害安全対策本部によりますと、これまでに消防隊員ら4人が死亡し、6人が重軽傷を負ったほか、住宅や建物の被害も相次ぎ、住民2000人以上が周辺の施設などに避難しています。
山清では住宅10棟、義城では24棟が全焼しました。焼失した山林の面積はあわせて8693ヘクタールにのぼり、サッカー場およそ4600個分に相当します。
現地には、消防や軍などから2000人以上の人員と90機あまりのヘリコプターが投入され、消火活動が続けられていますが、乾燥した大気と強風の影響で作業は難航しています。
24日午前6時の時点での鎮火率は、山清で70パーセント、蔚州で69パーセント、義城で65パーセントと発表されていますが、一部の地域では依然として火の勢いが続いています。
政府は、被害が最も大きかった山清郡を「特別災害地域」に指定し、被害拡大の防止に万全を期すとともに、復旧支援に全力を挙げる方針です。
また、山火事の影響で地域の祭りはすべて中止となり、韓国兵務庁は被災地に住む市民の入隊日程を延期することを決めました。