韓日中外相会談のため東京を訪れた趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官は、日本と中国の外相と個別に会談し、安全保障や経済協力、地域の課題などについて意見を交わしました。
趙長官は22日、日本の岩屋毅外相と昼食も交えて会談し、北韓の完全な非核化に向けた連携や、韓日・韓日米の協力の重要性を確認しました。また、外交当局間で率直な意思疎通を続けることでも一致しました。
趙長官は、今回の韓日中外相会談の開催に対する日本の役割に謝意を示し、「日本のリーダーシップのもと、3か国の協力が引き続き活性化することを期待する」と述べました。岩屋外相は、「地域・世界の情勢が激動の時代を迎えており、日韓関係や日米韓協力の戦略的重要性はますます増大している」と応じました。
会談では、両国の国交正常化60周年を記念した共同事業や、「佐渡島の金山」の追悼式など、敏感な懸案についても意見を交わした可能性があるとみられています。
一方、趙長官は前日の21日、中国の王毅外相と会談し、韓国と中国のEEZ=排他的経済水域が重なる済州(チェジュ)島南西の暫定水域(PMZ)に中国が無断で構造物を設置した問題を、初めて公式に提起しました。
趙長官は「中国の活動により、韓国の正当な海洋権益が損なわれてはならない」と強調し、これに対し王外相は、「相互尊重のもと、意思疎通を続けよう」と応じました。
両国はまた、韓中FTA=自由貿易協定のサービス・投資分野に関する交渉を、年内に妥結させることを目指す方針で一致しました。韓国側は、習近平国家主席の韓国訪問も改めて要請し、今後の協力強化に向けた意思を確認しました。
中国では最近、ポン・ジュノ監督の新作「ミッキー17」の上映許可が下りるなど、韓国の文化コンテンツを制限するいわゆる「限韓令」が緩和される動きも見られており、今後の韓中関係の進展に注目が集まっています。