保険料率と年金受給額を引き上げる国民年金法改正案が、国会で可決されました。
韓国国会は20日の本会議で、在席議員277人のうち賛成193、反対40、棄権44で国民年金法改正案を可決しました。
今回の法改正により、納付額を決める保険料率は、来年から8年間にかけて、毎年0.5ポイントずつ段階的に引き上げられ、最終的に現在の9%から13%に引き上げられます。
一方、現役世代の賃金を100%としたときの、高齢者の受け取る年金がどの程度になるかを示す所得代替率は、移行期間を設けず、来年にも現行の41.5%から43%へ引き上げる方針です。
また、兵役中や出産時の特定の期間を年金加入期間として認める、「クレジット制度」の導入にも合意しました。
韓国では、兵役に就いている間も国民年金への加入が認められていますが、6か月に限られている現行の制度を見直し、最大12か月まで拡大する方針です。
そして、現在は第2子以降の子どもの数に応じて最大50か月となっている「出産クレジット制度」を見直し、第1子まで対象を拡大します。第1子と第2子はそれぞれ12か月、第2子は18か月まで認められ、算入期間の上限は廃止されます。
今回の法改正により、国民年金の収支が赤字となる時期は2041年から2048年へと7年遅らせ、積立金が枯渇する時期は2055年から2064年へと9年遅らせることができます。
韓国で国民年金法が改正されるのは2007年以来、18年ぶりで、1988年に国民年金制度が導入されてから3回目となります。
一方、国民年金の持続可能性の確保に向け、物価上昇率をはじめ、過去3年間の年金加入者数の増減や寿命の長短などといった人口や経済の状況を踏まえて、年金受給額や受給年齢を調整する「自動安定システム」を導入する構造改革などについては、今後、年金改革特別委員会で議論する方針です。