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ロシアの軍用機が今月15日に続いて、20日も韓国の防空識別圏に進入したため、韓国国防部は韓国駐在ロシア国防武官を呼んで抗議しました。
国防部によりますと、20日午前、ロシアの複数の軍用機が韓半島東の海、東海(トンへ)の防空識別圏に次々と進入し、離脱したということです。領空への侵犯は確認されていません。
韓国軍当局は、ロシアの軍用機が防空識別圏に進入する前から動きを察知し、空軍戦闘機を投入して偶発的な事態に備えました。
ロシアの軍用機は今月15日にも韓国の防空識別圏に進入していて、当時は、ロシア側との交信で「訓練目的であり、領空侵犯の意図はない」ことを確認したため、電話での抗議にとどめていましたが、今回はロシア側が交信にただちに応じず、防空識別圏への侵入がこのところ頻繁に発生していることから、韓国駐在ロシア国防武官を呼んで抗議したと、韓国軍の関係者は説明しています。
この関係者は、「ロシアの軍用機による韓国の防空識別圏への侵入は今月に入って頻繁に発生している。1機が侵入後すぐに離脱する場合はメディアには伝えないが、今月15日と今回のように複数機が同時に進入する場合は、メディアに伝えている」と話しました。
ロシアの軍用機の侵入は、訓練目的とみられています。
防空識別圏は、自国の領空に接近する軍用機を早期に識別し、対応するために各国が独自に設定する空域ですが、領空とは異なり、国際法上の拘束力はありません。
通常、軍用機が他国の防空識別圏に進入する際は、事前に飛行計画を提出し、進入位置などを通知するのが国際的な慣例とされていますが、ロシアは自国の防空識別圏を設定しておらず、他国の防空識別圏も公式には認めない立場を取っています。