済州島(チェジュド)南西にある離於島(イオド)付近の、韓国と中国のEEZ=排他的経済水域が重なる「暫定水域(PMZ)」に、中国が無断で設置した鉄骨の構造物に対して、韓国政府が調査しようと近づいたところ、中国が阻止し、両国の沿岸警備隊が一時、対峙していたことがわかりました。
政府消息筋が18日、明らかにしたところによりますと、韓国政府は先月26日午後2時半ごろ、暫定水域に中国が設置した構造物を調べるため、韓国海洋水産部の海洋調査船を送ったということです。
しかし、この海洋調査船が、構造物から1キロほどのところまで近づくと、中国の沿岸警備隊に当たる海警局の船とゴムボート3隻に乗った民間人らが韓国の海洋調査船に近づき調査用の装備の海への投入を阻止しました。
これを受けて、韓国も待機していた海洋警察の船を送り、中国の海警局と韓国の海洋警察の船が2時間あまりにわたって対峙しましたが、結局、韓国の調査船は、何も調べることができずに戻ったということです。
中国側は当時、「構造物は養殖場だ」として、韓国側に引き返すよう求め、韓国側は「正当な調査を行っている」と対抗したとされています。
韓半島西側の西海(ソヘ)にある韓国と中国の暫定水域は、韓国と中国のEEZが重なる水域の一部で、両国政府が水産資源を共同で管理し、両国の漁船がともに操業しています。ただ、航行や漁業以外の行為は禁じられています。
しかし、最近、中国側がこの水域に直径と高さが数十メートルに及ぶ移動式の鉄骨の構造物を相次いで設置したため、「領有権を主張するための構造物をつくっているのではないか」と疑う声が出ています。