アメリカの核政策を担うエネルギー省が、同盟国の韓国を安全保障や核不拡散などの観点で注意が必要な「センシティブ国」に分類した背景について、韓国政府は、韓国がエネルギー省傘下の研究所のセキュリティ規定を違反した可能性があると明らかにしました。
韓国外交部は17日、記者団に対して、「外交政策上の問題ではなく、韓国の研究員らが、アメリカのエネルギー省傘下の研究所などに出張したり、共同研究を進める過程で、セキュリティ規定に違反するなどの理由で、このリストに分類されたと話しています。
そのうえで、「『センシティブ国』に分類されても、両国間の共同研究など、技術協力に大きな影響はないという説明をアメリカ側から聞いた」と伝えました。
アメリカ側は、研究所のセキュリティ関連の問題だとしながらも、具体的にどのような問題があったのかは説明していないということです。
ただ、アメリカ議会には、エネルギー省傘下の研究所の下請け会社の従業員が、原子炉を設計するためのソフトウェアを韓国に流出しようとしていたところを摘発されたという報告書が提出されていて、これと「センシティブ国」に分類されたこととのつながりに関心が集まっています。
この流出事件は、おととしから去年までの間に発生していて、その従業員が韓国に持ち込もうとしていたものは、輸出規制対象の特許情報だとされています。
韓国政府は、この報告書の内容など、研究所のセキュリティ規定への違反について調べるほか、来月15日に公表される「センシティブ国」リストから韓国を外すよう、アメリカ側と協議する方針です。
これに先立ち、韓国メディアは、アメリカのエネルギー省が、バイデン政権時代だったことし1月初めに韓国を「センシティブ国」に分類する動きがあると、10日に報じています。