アメリカのヘグセス国防長官が、初のインド太平洋地域歴訪の日程から韓国を外しました。オースティン前国防長官に続き、アメリカの国防長官が2度連続で韓国訪問を見送ることになりました。
 
尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の弾劾審判の宣告が迫るなか、アメリカ政府が不要な論争を避けるために韓国訪問を見送ったとみられますが、北韓への抑止力強化や造船業に関する韓米協力の機会を失ったとの指摘も出ています。
 
政府関係者が16日に明らかにしたところによりますと、今月下旬に向けて調整が進められていたヘグセス長官の韓国訪問は、最終的に実現しないことが決まりました。
 
ヘグセス長官は、グアムやハワイ、日本、フィリピンなど、インド太平洋地域のアメリカ軍基地と同盟国を訪問する予定ですが、韓国訪問は含まれませんでした。
 
トランプ第2期政権は、米中戦略競争のなかで、韓国や日本の造船業に協力を求め、アメリカの造船産業の競争力回復を目指す方針を示しています。
 
しかし、韓国では尹大統領の職務が停止されているだけでなく、国防部長官も辞任しており、アメリカ政府は「深い対話が難しい」と判断したものとみられます。
 
去年12月にも、オースティン前国防長官がアジア歴訪の際、韓国訪問を予定していましたが、尹大統領による「非常戒厳」宣言の影響で見送った経緯があります。