「非常戒厳」を宣言し、内乱を首謀した疑いで起訴され収監されていた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が8日に釈放され、今後の動向に関心が集まっています。
50日以上の収監生活を送った尹大統領は、当面は外部活動を控えながら体調を整え、早ければ今週中にも予想される憲法裁判所の弾劾審判の結果を見守るものとみられます。
大統領室の関係者は9日、「尹大統領は『国民統合』への意志を示しており、外部活動を自粛し、冷静に憲法裁判所の宣告を待つ予定だ」と明らかにしました。また、「裁判所の判断が下るまでは、最大限慎重な姿勢を維持するだろう」とも述べています。
大統領室によりますと、尹大統領は釈放直後の8日午後、公邸に戻り、大統領室の職員に対し、「国と国民のために、大統領室がしっかり役割を果たすように」と指示したということです。
一方、大統領室の関係者は、「憲法裁判所が弾劾訴追を棄却すれば、速やかに職務に復帰する必要がある。そのため、国政に支障をきたさないよう、懸案の把握が必要だ」と強調しました。
現在、尹大統領の権限は停止されているため、大統領室から公式な報告を受けることはできませんが、国政の重要課題に関する参考資料などは受け取る可能性があるとみられます。
大統領室は尹大統領の弾劾訴追とその後の拘束後、事実上活動を停止していましたが、弾劾反対の世論が高まりつつある中、政策執行の遅れを懸念する声が内部からも上がり、先月から通常業務を再開しています。