北韓が旧ソ連の輸送機を改造して製作している初の空中早期警戒機が、完成の段階に近づいていると、アメリカのメディアが報じました。
アメリカの北韓専門メディア「38ノース」は現地時間の4日、前日に撮影した衛星写真の分析結果を報じました。
それによりますと、北韓は、平壌(ピョンヤン)の順安(スンアン)国際空港で改造していた旧ソ連の輸送機に、レーダーのアンテナを保護するためのカバー「レイドーム」を設置したということです。
レイドームは、レイダーとドームの合成語で、航空機の外部に付けたレーダーのアンテナを、水や埃から保護するためのカバーです。
北韓当局が輸送機を空中早期警戒機に改造しているとの観測が、事実であることが明らかになった形で、「38ノース」は、レイドームが設置されたことを根拠に、北韓の初の空中早期警戒機が完成の段階に近づいているとの分析を示しました。
衛星写真に捉えられたレイドームの上段中央は、正三角形の形でセクションに分かれていましたが、これについて「38ノース」は、「中国製の空中早期警戒機に見られるものと似ているもので、アメリカやロシアの航空機では使われていない」と説明しました。
そのうえで、「中国の支援や影響を示唆することもできるが、正三角形だけでは決定的な証拠にはならない」と説明しました。
北韓の高麗(コリョ)航空が所有しているこの航空機は、おととし10月から空中早期警戒機に改造していると指摘されていました。
空中早期警戒機は、空中で監視レーダーを通して敵の航空機と船舶を探知・分析し、指揮部と戦闘機に報告する「空の目」とされていて、専門家らは、ロシアが北韓に関連の技術を供与した可能性があるとみています。