韓国の元国会議長7人と元国務総理4人が、権力構造の改変に向け、改憲の必要性を強調しました。与野党が激しく対立している韓国政治を克服するためには改憲が避けられないとして、改憲のカギを握る最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対して、改憲の議論に参加するよう促しました。
ソウル大学国家未来戦略院は4日、改憲をテーマに対談会を開き、2008年から2024年にかけて国会を率いた元国会議長7人と、元国務総理4人などが参加しました。
対談会では、1987年に改正された今の憲法には限界があるという発言が相次ぎました。
ソウル大学国家未来戦略院のカン・ウォンテク院長は、「韓国の民主主義が、今のような状況に陥ったのは、政治制度が今の時代に適していないからだ」としたうえで、「新たな跳躍に向け、改憲を通じた政治制度の変革が非常に重要だ」と述べました。
朴炳錫(パク・ビョンソク)元国会議長は、大統領の任期を4年として、1回に限って再任を可能とする「4年再任制」や、大統領と国務総理の権限を分け、互いに牽制させる「責任総理制」、次期大統領の任期短縮、小選挙区制の改変など具体的な方策を提案しました。
また、国会の権限を強化しなければならないとする意見もありました。
金振杓(キム・ジンピョ)前国会議長は、「会計監査権を国会に移管し、国務総理が監査院の事務総長を務めるべきだ」と述べました。
元国務総理の金滉植(キム・ファンシク)氏と鄭雲燦(チョン・ウンチャン)氏は、議院内閣制を代案としてあげました。
李明博(イ・ミョンバク)政権で国務総理を務めた二人は、選挙区制の改変を通じて、得票数を適切に議席に反映しなければならないと強調しました。
李洛淵(イ・ナギョン)元国務総理は、「民主党では李在明代表が唯一改憲に消極的だが、代表であるだけに均等なN分の1ではない」としたうえで、「彼のためにも、今回改憲すべきだ」と述べました。
民主党の鄭大哲(チョン・デチョル)元代表も、「李代表が唯一改憲に反対しているが、それに他の人が勝てずにいる」としたうえで、「今日の討論も必要ない。李代表をどうにかしてほしい」と述べました。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判の最終宣告が迫っているなか、与党を中心とした改憲の議論も本格化しています。
与党「国民の力」は4日、改憲特別委員会の第1回会議を開き、改憲に向けた議論を開始しました。