北韓は先月末に、コロナ禍以降、5年ぶりに西側諸国の団体観光客を受け入れていますが、今度は平壌で開かれるマラソン大会とつなげて観光商品を販売し、関心を集めています。
中国北京にある北韓専門旅行会社「高麗ツアーズ」が2日、ホームページに掲載したところによりますと、来月6日に開かれる平壌マラソン大会の一般参加者を今月14日まで募集するということです。
「高麗ツアーズ」はホームページで、「マラソン大会に参加し、平壌市内も観光しよう」というキャッチフレーズを掲げ、来月3日と5日にそれぞれ出発する5泊6日の2つのプランの予約を受け付けています。
プランの日程を見ますと、参加者は出発前日に北京に集合して説明を受け、翌日に北京首都国際空港を出発して平壌順安(スナン)空港に到着します。
2つのプランいずれも5日にマラソン大会のスタートラインとなる金日成(キム・イルソン)広場などのコースを下見したあと、6日にマラソン大会に参加します。
そのほかの時間は、紋繍(ムンス)水遊び場、祖国解放戦争勝利記念館、 万寿台(マンスデ)噴水公園、有名飲食店の玉流(オクリュ)館、主体思想塔など、平壌市内の名所を見物します。
また、ニュータウンの和盛(ファソン)地区や江東(カンドン)地区の温室農場など、最近完成したばかりで、外国人がまだ訪問したことのない新たな名所も訪れます。
この2つの地区は、竣工式に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が出席するほど、関心を注いでいる施設です。
観光商品の価格は、1人当たり2195ユーロで、ビザ発給手数料とマラソン参加費は別払いとなります。
外国人対象の観光事業は、北韓の体制を宣伝する機会になるうえ、対北韓制裁の対象にも含まれないため外貨稼ぎの手段として利用されてきました。
平壌マラソンは、故金日成主席の生誕日を記念して1981年から開かれている国際スポーツ大会ですが、新型コロナの影響で2020年から途絶えていました。
北韓の体育省はことし1月にホームページに平壌マラソンの募集案内を掲載していて、今回予定通り開催されれば6年ぶりの開催となります。