尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫妻が政治ブローカーのミョン・テギュン氏とともに与党の公認候補選びに不当に介入した疑いなどについて、政府から独立した特別検察官に捜査させる法案が27日、国会本会議で可決されました。
この法案は、尹大統領が当選した2022年の3月の大統領選挙の党内候補を選ぶ予備選挙で、虚偽の世論調査が活用され、これにミョン氏と当時、大統領候補だった尹大統領と妻の金建希(キム・ゴニ)氏がかかわっていたとする疑惑を、特別検察官に捜査させる内容を盛り込んでいます。
この法案は27日、野党が過半を占める国会本会議で、在籍議員274人のうち、賛成182人、反対91人、棄権1人で可決されました。
捜査の過程で明るみに出た別の事件の捜査も可能にしているため、ミョン氏に絡んだすべての事件に捜査範囲が広がる可能性があります。
呉世勲(オ・セフン)ソウル市長や洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱市長など、次の大統領選挙の与党候補として有力視される要人が数人絡んでいるという疑惑が浮上していることから、弾劾裁判で尹大統領が罷免され、大統領選挙が早期に行われる場合、こうした要人らをけん制する手段としても用いられる可能性があります。
このため、与党「国民の力」は、大統領の権限を代行する崔相穆(チェ・サンモク)副総理兼企画財政部長官に再議要求、いわゆる拒否権の行使を要請するとみられます。