韓国、日本、アメリカなどの主導で発足した、北韓に対する国連制裁の違反を監視する新組織「MSMT=多国間制裁監視チーム」が初会合を開き、活動を開始しました。MSMTの設立を提案した韓国が、ことしの運営と報告書の作成を主導するものとみられます。
韓国外交部が21日発表したところによりますと、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ニュージーランドなどでつるくMSMTの同志国は今月19日、アメリカのワシントンでMSMT運営委員会の第1回会合を開催しました。
MSMTは、ロシアが拒否権を行使して去年4月末で活動を停止した安保理の北韓専門家パネルに代わる組織として去年10月に発足しました。今後、北韓に対する国連制裁の違反を監視する役割をしっかり果たしていけるかが注目されます。
今回の第1回会合開催に続き、ことしの春までには最初の報告書を発表する見通しです。韓国の主導で作成するこの報告書には、北韓による制裁措置の違反の中でも、安保上の重要性と緊急性の高い内容が盛り込まれるものとみられます。
会合に先立ち、北韓との対話に意欲を示すトランプ大統領が、制裁の効果に疑問を提起し、積極的に関与しない懸念があるとの見方がありましたが、今回の初会合で制裁履行への意思をある程度確認できたと評価されます。
MSMTは国連とは別の枠組みではあるものの、専門家パネルと同様に北韓に対する国連制裁の違反を盛り込んだ報告書を発行します。ただ、専門家パネルのように、上半期と下半期にそれぞれ1回ずつ発行するかどうかは決まっていないということです。