中国の旅行会社が、今月末に北韓を訪問する観光商品の販売を行っていますが、今後北韓が、他の国に対しても、閉ざされた国境を5年ぶりに開放するか注目が集まっています。
新型コロナウイルス対策を理由に国境を封鎖していた北韓は、去年2月からロシア人に限って入国を許可し、観光事業を再開しました。しかし、観光客は800人あまりにとどまりました。
そうした中、西欧の旅行会社2社の従業員が先週、5年ぶりに中国を経由して北韓の羅先(ラソン)経済特区に入りました。北韓の観光商品の販売に先立ち、北韓のホテルや食堂、ビール工場などを訪問したものとみられます。
また、中国の旅行業界によりますと、北京にある旅行会社が24日、3泊4日の日程で北韓の羅先を訪問する観光商品を販売しているということです。
ただ、韓国人とアメリカ人に対しては、販売が制限されています。
北韓とロシアが軍事協定を結ぶなど関係を深めているなか、中国との関係の冷え込みが指摘されていましたが、今回の観光事業の再開が、北韓と中国の関係改善のシグナルだとする分析も出ています。
個別の観光は、国連安保理の対北韓制裁の対象にはならないため、北韓は今後、外貨稼ぎに向けて観光客の誘致に積極的に乗り出すものとみられます。