慰安婦被害者とその遺族たちが日本政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんが最終弁論の法廷に出席し、裁判所の早急な判決と日本政府の謝罪を求めました。
ソウル中央地方裁判所は11日、旧日本軍の慰安婦被害者とその遺族が日本政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、最終弁論を行い審理を終えました。
李容洙さんなど慰安婦被害者と遺族21人は2016年12月、「1人当たり2億ウォン」の賠償を求め、日本政府を相手に訴訟を起こしました。
李氏はこの日、初めて法廷に出頭し、過去に経験した被害事実を供述しました。そのなかで、「訴訟を起こして4年も経つのに、何も解決していない」として、涙を見せました。
この訴訟について、日本政府が訴状の受け取りを拒否したため、去年3月、韓国の裁判所は被告に訴状が届いたと見なす「公示送達」の手続きをとり、裁判を開始しました。しかし、日本政府は「国際法上、主権免除の原則にもとづいて訴訟は却下されるべきだ」と主張し、出廷に応じていません。
過去に日本の裁判所に起こした関連の訴訟はいずれも敗訴していて、2015年の韓日慰安婦合意以降、外交的な解決策は期待できないと判断した被害者たちは、最後の手段として韓国の裁判所で民事訴訟を起こしました。
韓国政府は、慰安婦合意とは別に、日本を相手に損害賠償を請求する慰安婦被害者たちの権利は有効だとする立場を示しています。
慰安婦被害者たちが日本政府を相手に起こした訴訟は、もう1つ別の裁判も含め合わせて2件で、いずれも判決の言い渡しを残すのみとなっています。
最初の判決は12月11日、次の判決は来年の1月13日に言い渡される予定です。