文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8日、アメリカ大統領選挙で民主党のバイデン氏(77)と副大統領候補のハリス上院議員(56)が勝利を確実にしたことについて、「お二方とともに開いていく両国の未来に大いに期待している。ともに歩んでいきましょう」とメッセージを送り、二人の当選を祝いました。
アメリカ大統領選で勝利を確実にした民主党のジョー・バイデン前副大統領は7日夜、地元の東部デラウェア州ウィルミントンで国民に向けた演説を行い、「大統領選は終わった」と述べて、勝利を宣言しました。
アメリカ大統領選では、州ごとに割り当てられた538人の選挙人の過半数に当たる270人を得た候補が当選しますが、バイデン氏が東部ペンシルベニア州を制し、当選に必要な過半数の選挙人の270人を確保したため、アメリカの主要メディアは、アメリカ東部時間の7日午前、選挙の開票は続いているものの、バイデンが「勝利した」と一斉に伝えました。
共和党のトランプ大統領(74)は、直後に「選挙終結には程遠い」との声明を出し、敗北を認めない意向を表明しました。
文大統領は、こうした選挙結果を受けて8日、ソーシャル・ネットワーク・サービスのツイッターで、「韓米両国の同盟と連帯は非常に強力だ。私は、我々が目指す共同の価値を実現すべく、お二方とともに働くことを望む。我々がともに開いていく両国の未来に大いに期待している。ともに歩んでいきましょう」と綴りました。
文大統領のこのようなメッセージは、バイデン氏が勝利を宣言してから8時間後に載せたもので、韓国語と英語で同じ内容がアップロードされました。
文大統領が公式的な外交手段ではなく、ツイッターでバイデン氏の当選を祝ったのは、トランプ大統領が選挙の結果を受け入れていないことなどを踏まえたものとみられます。
トランプ大統領が敗北を認めて、アメリカ大統領選に公式的に終止符が打たれた時点で、文大統領は祝電や電話などでバイデン氏との首脳外交に乗り出すものとみられます。
バイデン氏は、36年間上院議員を務める間、外交委員長を歴任したほか、オバマ政権の時に8年間副大統領を務めていて、外交や安全保障、国際戦略などの分野で経験豊富なベテラン政治家とされています。
バイデン氏は大統領選の勝利演説で「分断ではなく統合を求める大統領になる。再びアメリカを世界中から尊敬される国にする」と語っていただけに、トランプ大統領の「アメリカ優先主義」を排除し、「国際協調主義」の観点から国際社会の中のアメリカの役割と同盟国の戦略的価値を重視するものとみられます。
バイデン氏は、韓国に対しては、これまで「血盟」、「友達」と呼びながら格別な感情を表明し、韓国に友好的な活動を行ったり、韓国を何回も訪問しているため、今後、韓国はバイデン氏にとって非常に重要な同盟国になりそうです。