韓国駐留アメリカ軍の駐留経費負担に関する特別協定(SMA)締結に向けた韓米の交渉をめぐって、アメリカのトランプ大統領が韓国側の提案を拒否したことがわかりました。
ロイター通信が現地時間の20日、報じたところによりますと、トランプ大統領は新型コロナウイルスに関する記者会見で、韓国駐留アメリカ軍の駐留経費負担に関する質問を受けると、「韓国側が一定の額を提示したが、わたしは拒否した」と答えたということです。
トランプ大統領は、「韓国には大きな割合を負担するよう求めている」と述べましたが、「交渉は、駐留アメリカ軍の規模縮小とは関係ない」と強調しました。
ロイター通信は今月上旬、「韓国側が従来の負担額を少なくとも13%増やす案を示したが、トランプ大統領が拒否した」と報じています。
韓米交渉団による暫定合意案について、両国の外相は承認したものの、トランプ大統領の承認が得られず、最終合意に至らなくなったことで、交渉妥結の見通しは立たなくなりました。
これに対して、韓国政府は、まだ暫定合意案を廃棄して、別の案を示して、交渉をし直す段階ではないとみています。
ことし11月の大統領選挙を控えて、新型コロナウイルスの感染拡大で窮地に追い込まれたトランプ大統領としては、この交渉で譲歩するのはさらに難しくなっているため、交渉は今後、長引く可能性があります。
政府は、無給休職を強いられている、韓国駐留アメリカ軍基地で働く韓国人従業員のための特別法の制定などを進めながら、長期化する場合に備える方針です。