公正取引委員会は26日、公正取引法の全面改正案を発表しました。
1980年の公正取引法制定以来、38年ぶり初めての改正です。
それによりますと、△公益法人の系列会社に対する議決権行使の禁止、△私的利益規制対象を総帥一家の持分率20%以上の企業に一律化、△子会社に対する持分率要件の強化、などが盛り込まれています。
「公益法人の系列会社に対する議決権行使の禁止」を見ますと、財閥グループが公益法人を設立、その公益法人にグループ系列会社の持分を割当て、総帥一家がこの公益法人の持分を利用してグループ全体の経営権を確保するなどの弊害が指摘されていて、公益法人の議決権行使を禁止することにしたものです。
そうなれば総帥一家はグループ全体の経営権を確保するためにより多くの持分を確保しなければなりません。
また、総帥一家が事実上所有する企業へのグループ系列会社からの発注制限規制も強化されます。
これまでは総帥一家の持分率が上場会社は30%、非上場会社は20%以上の場合、発注制限規制の対象となりましたが、今後は上場か非上場かに関係なく、20%以上の場合は発注が制限されます。
グループ系列会社から総帥一家が所有する企業へ発注を集中することで、総帥一家が私的な利益を追求しているとの指摘を受けた措置です。
実現すれば、10大財閥グループの発注制限対象となる企業は現在の33社から114社に大きく増えます。