2014年4月に南西部の珍島(チンド)沖で沈没した旅客船「セウォル号」の事故をめぐり、遺族らが国と船会社に損害賠償を求めた訴訟の判決公判が19日、ソウル中央地方裁判所で開かれ、裁判所は、犠牲者1人当たり2億ウォンの慰謝料を支払うよう言い渡しました。
セウォル号沈没事故は2014年4月16日午前8時58分頃、仁川(インチョン)港から済州島へ向かっていた清海鎮(チョンヘジン)海運所属の大型旅客船「セウォル号」が、 南西部の全羅南道(チョンラナムド)珍島(チンド)沖で転覆し、沈没したものです。この事故で修学旅行中の高校生ら299人が死亡し、5人が行方不明のままとなっています。
遺族らは2015年9月、救助の遅れで犠牲が増えたとして、国を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしました。
ソウル中央地方裁判所は19日、韓国政府の過失を認め、原告118家族に犠牲者1人あたり慰謝料2億ウォンを支払うよう命じる判決を言い渡しました。
裁判所は「社会に与えた影響は重大で、再発防止の必要がある」と判決の理由を説明し、高校生の父母は精神的被害がより大きいとして、4000万ウォンの加算も命じました。
事故の発生から4年余り。この事故をめぐり裁判所が国の責任を認めたのは初めてです。
政府は責任を認めない一方、1人当たり平均4億3000万ウォンの国家賠償をする特別法を2014年に制定しましたが、原告側は「国に責任があることを法的に判断してほしい」として、受け取りを拒んでいました。