済州島の「4.3平和公園」で3日、「4.3事件」の犠牲者追悼式が行われました。
「済州4.3事件」は、アメリカ軍による軍政下にあった1948年4月3日、韓半島の南側だけでの総選挙実施は南北分断を固定化するとして反対した済州島の島民らが武装蜂起し、6年余りにわたって軍や警察が多くの島民を虐殺した事件です。
「4.3事件」から70年となる3日午前、追悼式が行われ、犠牲者の遺族など1万5000人余りが出席し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領や各党の関係者も出席しました。
文在寅大統領はあいさつで、「4.3の真実はいかなる勢力も否定することができない確かな歴史の事実として据えられたことを宣言する」としたうえで、「国家の暴力によるあらゆる労苦に対し、大統領としてあらためて深く謝罪申し上げる」と述べました。
文大統領はまた、「私はきょう、4.3の完全な解決に向けて揺るぎなく進むことを約束する。これ以上、4.3の真相究明と名誉回復が中断したり後退したりすることはないだろう」と述べ、犠牲者の遺骨発掘事業を最後まで続け、政府による賠償・補償などに向けて国会と協議する考えを示しました。
「4.3事件」の犠牲者追悼式に現職大統領が出席するのは12年ぶりで、2006年に当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が出席して以来2回目です。
追悼式が始まった午前10時から1分間、済州島の全域では犠牲者を追悼する黙祷のサイレンが鳴り響き、追悼式に出席できなかった市民たちが犠牲者を悼みました。サイレンに合わせて黙祷したのは、今回が初めてです。