2014年4月に韓国南西部の珍島(チンド)沖で沈没し、3年後の去年4月に引き揚げられた大型フェリー、セウォル号の船体を起こす準備作業が21日、終了しました。
船体調査委員会によりますと、現在埠頭の岸壁と垂直に横倒しになっている船体を少しずつ動かして、岸壁と平行にする作業を21日、木浦(モクポ)港で行い、4時間かけて無事に終えたということです。
続いて、回転の際に船体が崩壊しないよう、陸揚げや捜索で弱くなった部分を補強したあと、大型クレーンを使って船体を回転させ、起こす方針です。
天候が悪くなければ、作業は5月末までに終わる見通しです。
船体調査委員会は、横倒しの船体が起きれば、直ちに、まだ行方がわからないままとなっているセウォル号の乗客5人の捜索に取り掛かる予定で、これまで捜索が難しかった男子生徒の客室や、機関室の2か所に対して、集中的に捜索が行われます。
旅客船セウォル号は、2014年4月16日、修学旅行に出かける高校生などを乗せて済州(チェジュ)島に向かう途中、珍島沖で沈没し、299人が死亡、5人が行方不明になっています