韓国と中国は31日、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備決定以降、ぎくしゃくしていた両国関係の回復に取り組むことで一致しました。
韓国外交部は31日午前10時、外交部ホームページに、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備をめぐる中国との協議結果を掲載しました。中国側も同時に協議結果を発表しました。
それによりますと、両国は韓中関係を重視し、韓中戦略的協力パートナー関係の発展を目指していくとしています。また、韓中の交流協力の強化が双方の利益になるとの認識で一致し、あらゆる分野での交流・協力を正常な発展の軌道に速やかに回復させていくとしています。
「サード」については、韓国側が中国側の立場と懸念を認識し、韓国に配備された「サード」は本来の目的通り第三国を狙ったものではなく中国の戦略的安保利益を害さないという点を明確にしました。
これに対し、中国側は、ミサイル防衛( MD )システムの構築、「サード」の追加配備、韓日米軍事協力などに関する中国の懸念を表明しました。
これは、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が30日に、国会で答弁し、「サードの追加配備を検討していない」「アメリカのミサイル防衛システムに参加しない」「韓日米3か国の安保協力が軍事同盟に発展することはない」と述べたことを再確認したものと受け止められています。
朴槿恵(パク・クネ)前政権下だった去年7月に韓国政府がサード配備を発表して以降、配備に反発する中国が韓国に対する報復的な措置を取り両国間にあつれきが生じていましたが、ひとまず収拾に向かうことになる見通しです。
大統領府青瓦台は31日、来月11日にベトナムで開催されるAPEC=アジア太平洋経済協力会議に合わせて韓中首脳会談を開催すると発表しました。
青瓦台は、「関係改善をめぐる韓中両国の合意を履行するための最初の措置」と説明しています。