李明博政権で国家情報院が公共放送の掌握を試みたとする疑惑を捜査しているソウル中央地方検察庁は、30日、MBCの前社長や役員、国家情報院関係者、放送文化振興会の家宅捜索を行いました。
検察は家宅捜索の対象者について、李明博政権で政権に批判的なMBCの時事番組「PD手帳」の制作陣を交代し、番組の放映を保留したり、制作を中断させるなど、不法な圧力を加えた嫌疑が持たれているとしました。
国家情報院の過去の弊害を調査している特別チームによると、2010年3月に当時の国家情報院長の指示で「MBC正常化戦略及び推進案」という文献が作成されましたが、この文献にはMBCの人的刷新、政権に批判的な番組の廃止などが盛り込まれています。
当時、MBCでは看板時事番組が廃止され、担当記者やPDが解雇されるなどしました。
また、こうした措置に反発してストライキに参加した職員を業務の関係のない閑職に異動させるなど、人事権を乱用した疑惑も持ち上がっています。
MBCの労働組合は最近、「李明博政権で金在哲(キム・ジェチョル)社長が就任したあと、国家情報院の企画で関係会社の社長の辞表提出を求め、関係会社28社のうち22社の社長が交代した。当時の論説室長も特別番組制作チームに異動した」と主張しました。
検察は、事案が重大なだけに、近く関係者全員を召還して調査するとしています。
一方、第1野党「自由韓国党」は26日、MBCの大株主の放送文化振興会の理事選任をめぐって国政監査のボイコットを宣言しましたが、30日の議員総会でボイコットを撤回し、国政監査に参加することにしました。