一昨年の集会中に警察の放水で倒れ、亡くなった故ペク・ナムギ氏(69)の事件について、検察は、ペク氏の死因は、警察の放水による「外因死」だとして、警察が公権力を乱用してペク氏を死に至らせたと判断し、警察官4人を業務上過失致死の疑いで起訴しました。
ペク・ナムギ氏は、一昨年11月、朴槿惠(パク・グネ)政権に抗議する集会に参加していた途中、頭に警察の放水の直撃を受けて倒れたまま意識不明になり、今年9月に死亡しました。
ペク・ナムギ氏の死因を巡っては、ソウル大学病院の担当主治医が、ペク氏の死亡診断書に死因を「外因死」ではなく「病死」と記載したことから、市民団体などを中心に大きな反発が起きていましたが、新政権が発足した直後のことし6月、ソウル大学病院はペク氏の死因を「病死」から「外因死」に変更しました。
そして、今回、検察もこれまでの捜査結果を発表しましたが、それによりますと、「現場で集会参加者らに放水していた警察関係者らが、胸より上部を狙った放水を禁じる放水運用指針に違反し、ペク氏の頭部に直接放水していた」ということで、ペク・ナムギ氏の死因は、警察の放水による「外因死」だと結論づけました。
検察は、警察が公権力を乱用してペク氏を死に至らせたとして、当時のソウル地方警察庁長と現場で放水していた警察官ら4人を業務上過失致死の疑いで起訴しました。
ただ、姜信明(カン・シンミョン)警察庁長については、直接現場を指揮していないため、責任がないとして起訴しませんでした。
警察の起訴は、ペク氏の遺族らが警察を告発してから700日ぶりのことです。