2014年に韓国南西部の珍島(チンド)沖で沈没した旅客船「セウォル号」が、引き揚げられ、船体の一部がおよそ3年ぶりに海面上に姿を現しました。
海洋水産部によりますと、23日午前3時45分ごろ、船体の一部が海面上に現れたということです。沈没から1073日目です。
海洋水産部は22日、深さ44メートルの海底に沈んでいる船体をワイヤで海底から1、2メートル引き揚げる試験を行ったあと、午後8時50分から夜通し本格的な引き揚げ作業を進めました。
作業は、気象条件もよく、比較的順調に進んだとみられます。
船体は、今後、海面から13メートルの高さまで持ち上げられ、運搬船に移し替えられる予定で、最終的には、およそ87キロ離れた木浦(モクポ)の港に陸揚げされ、行方不明者の捜索や船体の調査が進められることになります。
一方、行方不明者の家族や犠牲者の遺族らは、現場近くで夜通し涙ながらに作業を見守りました。
事故では、修学旅行中の高校生など295人が死亡し、9人が行方不明になっており、行方不明者の家族らが、引き揚げを希望していました。