崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件に関連して、特別検察官の捜査チームは、三星グループの経営トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(48)に対する逮捕状を請求していましたが、ソウル中央地方裁判所は、19日、棄却しました。
特別検察官は、李副会長の贈賄容疑を足がかりに朴槿恵(パク・クネ)大統領の収賄容疑の捜査を進めようとしていたため、捜査が難航する可能性が出ています。
李副会長については、三星グループ内の企業合併に政府が協力する見返りに、朴大統領や崔被告側に合わせて430億ウォンの賄賂を供与しようとした疑いがもたれています。
裁判所は、逮捕状請求の棄却について、「現段階では逮捕の必要性と相当性を認めるのは難しい」としています。
裁判所は、特別検察官が逮捕状に明記した李副会長の犯罪容疑について、李副会長が朴大統領に渡した金が見返りの性格があったかどうか明確ではなく、李副会長が、朴大統領への資金支援を行ったのは事実だが、朴大統領の強要によって仕方なく渡したとして、全面的に否定しているため、被疑者の防御権の保障という面で身柄の拘束の必要性はないと判断したものとみられます。
特別検察官は、李副会長が、経営権の引継ぎ作業への後押しという見返りを期待して、三星電子を動員し、朴大統領への経済的利益の提供を主導したとみて、身柄の拘束の必要性があると主張していました。
李副会長の逮捕状の請求が棄却されたことで、李副会長の贈賄容疑を足がかりに朴大統領の収賄容疑についての捜査を進めようとしていた特別検察官は、軌道の修正を余儀なくされることになりました。