国内では初めてとなる原子力発電所の解体に向け、除染作業がスタートしました。ただ、使用済み核燃料の保存場所が確保されていないなど、不安を抱えた中での作業開始となりました。
韓国水力原子力は6日、古里(コリ)原発1号機の除染作業に着手したと明らかにしました。
除染作業が完了したあと、原子力安全委員会が解体を承認すれば、使用済み核燃料が搬出される予定です。
ただ、古里原発の関係者は、「海外の事例では、解体が承認された後、更地に戻すまでに7年から8年程度かかる」としたうえで、「古里1号機の場合、使用済み核燃料を貯蔵する施設の建設などの問題が解決されていないため、数年で終わるとは言い難い」と述べ、最終的な解体に向けた道筋が立っていないことを明らかにしました。
韓国南部の釜山郊外にある古里原発1号機は、1978年に運転を始めた韓国で最も古い商業用原子炉で、韓国の経済発展の象徴の一つでした。
古里原発1号機の運転は、「脱原発」を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の2017年6月に終了しました。