国家人権委員会は5日、子どもの日に合わせた声明を出し、「学生人権条例」を廃止する自治体が増えていることについて、遺憾の意を表明しました。
学生人権条例とは、児童・生徒の人権を守ることを目的に、2010年に初めて導入されたもので、ソウル市など7の自治体で、施行されていました。
学生人権条例では、児童や生徒は服装、頭髪などにおいて自分の個性を表現する権利を持つとしているほか、教員による体罰禁止などを定めています。
しかし、小学校の教員が児童に暴行される事件が相次いでいることや、去年、保護者の激しい抗議に苦しんだ小学校の教員が自殺する事件が起きたことなどを背景に、学生人権条例では教員が守られていないと指摘する声が上がっていました。
これを受けて、先月24日には忠清南道(チュンチョンナムド)が、26日にはソウル市が条例の廃止を決めました。
これについて、国家人権委員会は声明で、「非常に遺憾だ」としたうえで、「今、求められるのは、児童・生徒を一人の人間として尊重し、同時に、教師の教育活動が保障される環境づくりに向けて知恵を結集することだ」と指摘しました。