尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は22日、空席になっていた大統領室の政務首席秘書官に、与党「国民の力」の洪哲鎬(ホン・チョロ)氏を任命したと発表しました。政務首席は、政府と国会の間のパイプ役を担う重要なポストですが、大統領が自ら任命者の発表を行うのは異例です。
尹大統領は、洪首席について、コミュニケーション能力が高く、事業家として成功した経験も持っていることから、国民の声に耳を傾けられる人物だと評価しました。
政務首席秘書官は、大統領室の首席秘書官のうちの1人で、大統領を補佐しながら、政府と国会の間のパイプ役を担います。
洪氏は、韓国で有名なチキンのチェーン店「グッネチキン」の創業者で、12年前と8年前の総選挙で国会議員に当選しています。
4年前の選挙では落選し、今月行われた選挙で国政への復活を狙いましたが、落選しました。
尹大統領は、洪氏の首席秘書官への任命に先立って、大統領秘書室長の任命も発表していますが、それぞれ、発表のあと、記者からの質疑に直接応じました。
尹大統領が記者からの質問に直接答えるのは、1年5か月ぶりです。
尹大統領は、以前、国民との意思疎通の一環として朝の出勤時に「ぶら下がり取材」に応じていましたが、おととし11月に、自身の発言をめぐってメデイアとの対立が深まったあと、ぶら下がり取材を中止しています。
今回、直接取材に応じた背景には、総選挙で与党が惨敗した原因として、野党との協力やコミュニケーションが不足しているという批判があるという見方が出ています。