政府が進める医学部の定員拡大をめぐって、大学の経営側が定員枠の拡大を希望する一方、拡大に反対する医学部の教授らは、相次いで辞表を提出するなど強く反発しています。
政府が来年度の医学部の定員人数の希望を募ったところ、全国40の医学部が申請した増員数は合わせて3,400人あまりで、政府が目標とする2,000人を大きく上回りました。
大幅な定員拡大を希望する地方の国立大学では、必須医療を担う教授たちが、5日、次々と辞表を提出しました。
慶北(キョンブク)大学の血管外科の教授は、後輩たちを守りきれないとして、辞表を提出しました。
また、忠北(チュンブク)大学では、心臓内科を担当する教授が、ストライキを行っている研修医の免許を停止するという政府の方針と、教育者の良心を裏切った大学の経営側への反発として、辞表を提出しました。
ソウルにある5つの主要な病院を含め、都市部の総合病院の教授たちも、政府への反対行動を計画しています。
ソウル大学病院は、この問題に対処するための新たな委員会を立ち上げる計画で、ソウルアサン病院と釜山の医科大学では、教授陣が診療を放棄するか、辞表を提出するべきだという意見で一致しました。
一方、江原大学では、医学部の学部長と学科長が、頭を丸めて抗議しました。
さらに、全国33の医学部の教授でつくる協議会は、政府による医学部の定員拡大について、事前に医学部の教授や研修医などの意見を聞かなかったことは違憲であるとして、行政訴訟を起こしました。