AI=人工知能の処理に欠かせない、HBM3eと呼ばれる超高速で大容量の記憶用半導体の開発をめぐって、韓国とアメリカの企業による主導権争いが激しさを増すなか、サムスン電子は、記憶用半導体を12層、積み上げた製品の開発に業界で初めて成功したと発表しました。
サムスン電子は27日、DRAMと呼ばれる記憶用半導体を12層、縦に積み上げ、業界最大容量の36ギガバイトのHBM3eを開発したと発表しました。
HBMは、DRAMを縦に積み上げてデータの処理速度を飛躍的に引き上げた半導体で、大量のデータを一度に計算する必要があるAI分野に不可欠な部品です。
HBMの第5世代、HBM3eは、将来の半導体市場の覇権を左右する中核部品とされています。
12層のHBM3eの製品化を実現したのは、サムスン電子が初めてです。
サムスンが開発した12層のHBM3eは、1本30ギガバイトの容量の4K画質の映画、40本を1秒で読み取ったり書き込んだりすることができ、HBM3と呼ばれる第4世代の製品と比べて、性能と容量が50%以上向上しているということです。
サムスン電子は、この製品をことしの上半期に量産する予定です。
現在、HBMの開発でリードするSKハイニックスは、去年8月に8層のHBM3eを開発し、ことし上半期中に量産を開始する計画です。
アメリカのマイクロンも、HBM3eの量産計画を発表していて、この分野における企業間の競争がさらに激しくなる見込みです。