サッカー韓国代表を率いるクリンスマン監督が、就任から1年で更迭されることになりました。
代表チームの戦力強化委員会が監督を解任するよう勧告したことをうけ、大韓サッカー協会は16日、理事会を開き、クリンスマン監督の更迭を決めました。
更迭は、今月上旬にアジアカップの準決勝で敗退したことを受けたものです。
クリンスマン監督は自宅のあるアメリカからリモートで会合に参加し、戦術を立てる能力が不足しているという指摘に対して反論しましたが、協会はクリンスマン氏がこれ以上、代表チームの監督としてリーダーシップを示せないと判断しました。
クリンスマン監督は、選手としては世界トップレベルでしたが、指導者としてはこれまでも高い評価を得られておらず、「戦術能力の不足」や「頻繁な海外での滞在」などについて批判が出るたびに、アジアカップの結果で評価を受けるとして、優勝に向けた自信を示していました。
しかし、イングランド、トッテナムのスタープレーヤー、ソン・フンミン選手など、過去最強と称された韓国代表チームは、アジアカップでベスト4入りを逃しました。
グループリーグでも対戦したヨルダンとの決勝トーナメントでの試合で、枠内シュートがゼロと、成績だけでなく試合の内容も期待外れとなったことにくわえ、大会の後、帰国したクリンスマン監督がすぐにアメリカの自宅に戻ったこともファンの心象を悪くしました。
さらに、アジアカップ準決勝の前日に、主将のソン・フンミン選手とイ・ガンイン選手が宿舎で喧嘩をして、ソン・フンミン選手が指を脱臼したと報じられるなど、チームの内紛が表面化し、監督の管理能力を疑問視する声が出たことも、更迭の要因となりました。
韓国代表は2026年にアメリカ、カナダ、メキシコで行われるワールドカップの予選となるAマッチが来月に迫っていて、この試合には、国内の指導者を臨時の監督として登用する可能性が高いとみられています。