李在明(イ・ジェミョン)大統領は30日、青瓦台が再び大統領府として使用されるようになってから初めてで、ことし最後となる閣議を開きました。李大統領は、今回の青瓦台への復帰について、「国民主権と民主主義が本来の位置を取り戻したことを象徴するできごとだ」と評価しました。
大統領の執務室は元々、青瓦台にありましたが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が2022年5月に執務室をソウルの龍山(ヨンサン)に移しました。その後、「非常戒厳」の宣布や捜査をめぐる混乱が重なり、龍山の大統領室は「憲政秩序のき損」を象徴する存在としてマイナスのイメージが根強く残っていました。
李大統領は、「国政の中心は国民であり、国政の完成も国民との意思疎通によってなされる」と強調しました。また、「大統領の最大の責任は国民の統合だ」として、極端な陣営対立が国家の統合を妨げていると指摘しました。李大統領は、青瓦台に復帰した29日にも、保守と革新を象徴する赤と青を組み合わせたネクタイを着用し、統合のメッセージを示していました。
そのほか、特定の政治目的のためにインターネット上のコメントなどで世論操作を行う行為について、「民主主義の体制を脅かす行為だ」として、関係当局に強い警戒感をもって対応するよう指示しました。
今回の閣議では、ことしの国政運営の成果を点検するとともに、来年の政策の方向性と主要課題について、各省庁ごとに議論しました。