韓国最大のネット通販企業クーパンで起きた大規模な個人情報流出をめぐり、クーパンが、被害は限定的だったとする社内調査の結果を発表しました。これに対し韓国政府は、「一方的な主張だ」と指摘しています。
クーパンは、個人情報を流出したとされる元従業員を独自に調査したところ、不正に取得した3300万人の顧客情報のうち、実際に保存されていたのはおよそ3000件にとどまり、その情報も外部に流出することなく、全て破棄されたと本人が供述したことを明らかにしました。
また、該当情報は元従業員の個人端末のみに保存されていて、これを悪用した二次被害は確認されていないと強調しました。
クーパンは、信頼性を確保するため、海外のセキュリティ専門企業に、コンピューター端末やネットワーク内の情報を収集し、被害状況の解明や犯罪捜査に必要な法的証拠を明らかにする調査を依頼し、その結果も元従業員の供述と一致していたと説明しています。
しかし、政府はクーパンの発表について、「公式に確認されていない一方的な主張だ」と指摘しています。
科学技術情報通信部は、「調査中の事案について、企業が独自の調査結果を公表したことに抗議した」としたうえで、「当該内容は、官民合同調査団によって検証された結果ではない」と強調しました。
官民合同調査団は、政府と民間の専門家、捜査当局が共同で参加し、大規模なサイバー事故を公式に調査する韓国の合同調査の枠組みです。
特に政府は、捜査機関との事前協議なしに企業が流出者本人に直接接触し、調査を行った手続きの妥当性について問題を提起しています。