北韓は、新型の高高度長距離対空ミサイルの試験発射を行ったことを公開しました。
25日付けの朝鮮中央通信によりますと、北韓は24日、韓半島東の海、東海(トンヘ)上で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が立ち会うなか、新型の高高度長距離対空ミサイルの試験発射を行いました。
北韓のミサイル総局は、今回の試験発射について、開発中の高高度長距離対空ミサイルシステムで初めて行われた戦術・技術評価試験だとしたうえで、高度200キロに設定した仮想のターゲットに命中したと主張しました。
これについて韓国軍は、北韓によるミサイル発射の事実を把握したと明らかにしました。
合同参謀本部は、24日午後5時ごろ、咸鏡南道(ハムギョンナムド)宣徳(ソンドク)付近から東海に向けて発射された、地対空ミサイルとみられる飛翔体を数発、探知したということです。
ミサイルの詳細な性能については、韓米の情報当局が精密な分析を行っていて、韓米の連合防衛態勢を維持しながら北韓の動きを注視していると強調しました。
専門家の間では、今回、公開されたミサイルは、北韓が先月、空軍創設80周年の行事で初めて公開した新型の地対空ミサイルと同じ系列である可能性が高いとみられています。
また、老朽化した地対空ミサイル「SA-5」を代替する目的で開発が進められているとしたうえで、迎撃の場面が公開されていないことから、実際の迎撃試験というよりは、飛行性能の確認に近い試験だった可能性もあると分析しています。
一方で、北韓が高度200キロの高高度目標を強調した点については、幾重にも重ねた地対空防衛体制を構築していることを誇示する狙いがあり、韓国に配備されているアメリカのTHAAD=高高度迎撃ミサイルシステムや、海上から弾道ミサイルを迎撃する「SM-3」を念頭に置いたものだという見方が出ています。