韓国の通貨当局が、年末の為替市場の安定を図るため、いわゆる「口先介入」に踏み切りました。
企画財政部と韓国銀行は24日、ソウル外国為替市場の取引開始直後に共同でメッセージを発表し、「過度なウォン安は望ましくない」として、市場の安定を強調しました。
年末は、企業や金融機関の資金決済が集中し、為替が不安定になりやすい時期です。
当局は、この1~2週間にわたり、関係省庁や関係機関が相次いで会合を開き、為替の変動性に対応するための複数の措置を準備してきたと説明しました。
年末にかけてウォン安が進み、為替市場の不安心理が高まるなか、政府が状況を総合的に管理している姿勢を市場に明確に示す狙いがあるとみられます。
このメッセージを受けて、市場はただちに反応しました。
ドルに対するウォン相場は、1ドル=1484.9ウォンと、前の日より1.3ウォン安で取引を開始しましたが、午前9時5分ごろには、20ウォン近くウォン高が進み、1465ウォン台まで上昇しました。
政府と韓国銀行はすでに、外貨流動性に対する金融機関の負担を緩和するための制度調整とあわせて、一時的な規制緩和措置も発表しています。
市場では、公的年金基金が、年末の為替安定を目的に、為替変動による損失を回避する「為替ヘッジ」を活用し、ドル売りに踏み切る可能性も取りざたされています。
年末を前に、韓国の外国為替市場が、当局のメッセージに敏感に反応している様子がうかがえます。