ドルに対するウォン相場が1ドル=1480ウォンまでウォン安が進み、ことしの最安値に近づいています。
23日午前の韓国外為市場では、ドルに対するウォン相場が1ドル=1480ウォンで取引を開始したあと、下げ幅が拡大し、午前中は一時1484.1ウォンまでウォン安が進みました。ウォン相場の変動性が高まるなか、収益性に直接影響を受ける自動車業界と航空業界も為替相場の動向を注視しています。
現代(ヒョンデ)自動車とキア自動車など完成車メーカーは、ウォン安を短期的な追い風と受け止めています。アメリカは韓国の自動車輸出のおよを40%を占める最大の輸出先で、韓国自動車モビリティ産業協会は、為替レートが10ウォン下落するごとに自動車業界の売り上げがおよそ4千億ウォン増加すると分析しています。
しかし、鉄鋼やアルミニウムなど、原材料を輸入に依存する部品メーカーは、完成車メーカーへの納品単価が中長期契約で固定されているケースが多く、収益性への打撃が避けられません。また、大企業の場合、生産拠点を海外に移しているケースが多いため、為替変動による影響が比較的限定的ですが、中小部品メーカーほどその影響を吸収する余力が乏しい状況です。
航空業界でも、ウォン安はコストの増加につながります。航空燃料をはじめ、航空機や機材のリース費用など主要コストの大半がドル建てで支払われるため、ウォン相場が10ウォン下落するごとに数百億ウォン規模の為替差損が発生します。ウォン安によって海外への旅行需要が減少すれば、収益の悪化は避けられません。
金融業界関係者は「為替が安定局面に入ることを期待している」と述べたうえで、「為替の動向とは別に、企業レベルでも積極的な損失を回避するための為替戦略が求められる」と説明しました。