韓国で、最高時速370キロで走行する次世代の高速鉄道が開発され、早ければ2030年にも試験運行が始まる見通しです。実用化されれば、営業運転としては世界で2番目の速さとなります。
韓国の国土交通部は22日、国の研究開発事業として進めてきた次世代高速鉄道の主要技術の開発が完了し、来年から車両の製造に入ると発表しました。
新しい列車は、現在、韓国で運行されている時速320キロ級の高速列車「KTX-青龍(チョンリョン)」をベースに、走行性能と安全性をさらに高めたものです。先頭部分をより流線型にし、屋根上の空調設備の突出部分を小さくすることで、走行時の空気抵抗を従来より1割以上減らしました。さらに、主要部品を小型化し、高効率化した新しいモーターを開発するなど、全体の設計を最適化しています。
計画では、営業運転での最高速度は時速370キロ、設計上の最高速度は時速407キロとされています。営業速度370キロは、中国で試験運行が行われている時速400キロ級の高速鉄道に次ぐ速さで、フランスやドイツ、日本など、主要国の高速鉄道の営業速度、およそ時速320キロを上回ります。
このプロジェクトには、韓国鉄道技術研究院を中心に、2022年から4年間で、225億ウォンが投じられました。政府は、2031年以降の商業化を目指し、国内の移動時間の短縮に加え、高速鉄道の輸出競争力の強化につなげたいとしています。
試験運行は、2030年初めに、ソウル近郊の平沢(ピョンテク)と、中部の忠清北道(チュンチョンブクド)・五松(オソン)を結ぶ区間で行われる予定で、実現すれば、主要都市間の移動時間が大幅に短縮されると期待されています。