山口県岩国市に住む日本人収集家、宮田伊津美さんが、韓国の文化遺産41点を無償で寄贈しました。
忠清南道(チュンチョンナムド)歴史文化研究院が17日、発表したところによりますと、宮田伊津美さんから、韓国の文化遺産41点の無償寄贈を受けたということです。
宮田さんは、岩国市の岩国徴古館の元館長で、「文化遺産は、本来あるべき場所にあってこそもっとも輝く」という信念のもと、人生の晩年に寄贈を決断したということです。
寄贈の手続きは、国外所在文化遺産財団の日本事務所を通じて行われ、この財団と研究院の協力により、文化財の韓国への移送が実現しました。
寄贈された文化財は、朝鮮王朝後期から近現代にかけての絵画や書、陶磁器、工芸品、古文書などです。
宮田さんは、かなりの数が朝鮮王朝時代の19世紀末に活動していた日本人の東巖(ひがし・いわお)が収集したものだったと説明しました。
宮田さんは来年も、さらに21点を寄贈する意向を示していて、忠清南道と研究院は感謝の意を表して表彰状と感謝の記念品を贈りました。
研究院は、寄贈品について精密調査と保存処理を行ったうえで、展示や教育資料として活用する方針です。